「接待ゴルフ」「取引先主催のゴルフコンペへの参加」など、ビジネスでゴルフが必要になるシーンは意外なほど多いもの。
とくに「企業の経営者・幹部クラス」「各界の著名人」とお付き合いのある「士業」「営業担当者」などは、ゴルフに誘われる機会も多いのではないでしょうか。
しかし「ゴルフができるとビジネスにどんなメリットがあるのか」については、イマイチわからないという方も多いかもしれません。
そこで今回は社会人のゴルフ経験者225名にアンケートを実施し、「ゴルフがビジネスに役立ったこと」について調査しました。
- 調査対象:社会人のゴルフ経験者
- 調査期間:2022年11月9日~18日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:225人(男性158人/女性67人)
- 回答者の年代:20代 15.1%/30代 37.3%/40代 24.9%/50代 16.0%/60代以上 6.7%
ゴルフを始めたきっかけは「上司のすすめ」
社会人のゴルフ経験者225名に「ゴルフを始めたきっかけ」を聞いたところ、上位7位までは以下のようになりました。
1位になったのは「仕事で必要(17.8%)」です。
2位「上司のすすめ(16.9%)」、3位「同僚のすすめ(15.6%)」と続きます。
以降、4位「周りにやっている人がいた(14.7%)」、5位「友達のすすめ(12.9%)」、6位「家族のすすめ(6.2%)」、7位「付き合いのため(3.1%)」の結果となりました。
コンペ参加するなど「仕事で必要だったからはじめた」という人が多いとわかります。
上司や同僚に勧められてゴルフを始めた人も多く、全体的に「仕事・ビジネスがきっかけ」で始めるケースが多いようです。
では具体的な回答を紹介します。
1位 仕事で必要
- 昇進して会社のゴルフコンペに参加必須となったのがキッカケです(38歳 男性)
- 会社の接待で必要になったのがきっかけです(44歳 女性)
- 取引先主催のコンペに参加するため(50歳 男性)
「仕事で必要」が1位。
「コンペに参加しなくてはいけなくなった」「接待でゴルフすることになった」など、必要に迫られてゴルフを始めた人もいました。
最初は「イヤイヤ」「仕方なく」ゴルフを始める人も多いのかもしれませんね。
「昇進に有利だと思ったから」というコメントもありました。
2位 上司のすすめ
- 会社で直属の上司から誘われたことがきっかけ(28歳 女性)
- 営業部に配属されたときに、上司から「ゴルフを始めたら」と誘われたことがきっかけです(52歳 女性)
- 社内の人事異動で営業職に変わった際、ゴルフ好きの重役から「ゴルフをやれ」と勧められたから。クラブまで買っていただきました(68歳 男性)
2位は「上司のすすめ」でした。
営業職など取引先とゴルフをする機会がある部署に所属していると、「仕事で役立つから」と勧められることも多そうです。
中には「道具を買ってもらった」「譲ってもらった」という人も。
道具まで用意してもらっては、「始めなくては悪い」「断りにくい」という気持ちになりそうですね。
3位 同僚のすすめ
- 会社の同僚に打ちっぱなしに誘われてから(51歳 男性)
- 新卒入社した職場で先輩に誘われた。先輩がクラブを買い替えるタイミングで、古いものをもらえたため(27歳 男性)
- 同じ部署の先輩から勧められたから(38歳 女性)
3位は「同僚のすすめ」。
先輩や同僚から打ちっぱなしなどに誘われ、次第にハマっていった人も多いとわかります。
年齢が近く仲の良い同僚からの誘いなら、気軽に「ちょっと行ってみようかな」と思いやすそうですね。
4位 周りにやっている人がいた
- 母が始めたのをきっかけに、自分もゴルフを始めた(28歳 女性)
- 会社の上司がよくゴルフの話をしていて、楽しそうだと思い始めました(37歳 女性)
- 友達がやり始めたことで練習場に行くようになった。父もゴルフをしており、道具はあったので始めました(40歳 男性)
4位は「周りにやっている人がいた」。
家族や上司・同僚など身近な人がゴルフを趣味にしており、影響されて始めたという人も多くなっています。
直接誘われたり勧められたりしたわけではなくても、「楽しそうだな」と思うとやってみたくなりますよね。
家族がゴルフをやっている場合は道具を借りられるので、ゴルフを始めるハードルも下がりそうです。
中には「子どものころ」「中学生時代」など、かなり早い段階で家族に連れられてゴルフを始めた人もいました。
5位 友達のすすめ
- 友人から誘われて打ちっぱなしにいったら楽しかったから(24歳 女性)
- 営業マンをしている学生時代からの友達に「ゴルフをやった方がいいよ」と言われたのがきっかけです(33歳 女性)
- 仲間内で「ゴルフをしよう」となったので(50歳 男性)
5位は「友達のすすめ」です。
最初は乗り気でなかったものの、「熱心に誘ってもらったので行ってみたら楽しかった」という人もいました。
同世代の友人から「仕事や体力づくりに役立つよ」という口コミを聞くと、やってみたい気持ちが湧きやすそうです。
6位 家族のすすめ
- 近所の打ちっぱなしのゴルフセンターで「4回2000円の体験レッスン」があり、父から誘われたから(24歳 女性)
- 40代のとき、義理の父から「そろそろ大人のたしなみとしてゴルフを始めた方がいいよ」と勧められた。「会員権もそのうち譲るから」と言われ、始めることにした(63歳 男性)
6位は「家族のすすめ」でした。
「父」「義理の父」「兄」「夫」など、男性親族に勧められてゴルフを始めた人が多くなっています。
家族としては「ゴルフ仲間・ラウンド相手になってほしい」「教えてあげたい」という気持ちがあるのかもしれません。
7位 付き合いのため
- 職場の部署でゴルフに行くことになり、断るわけにもいかなかったので(29歳 男性)
- 会社での人間付き合いから(47歳 男性)
7位は「付き合いのため」でした。
業務上必要というほどではなくても、職場の人間関係を円滑にするために「ゴルフをしておいたほうがいいな」と感じた人も多いとわかります。
職場でゴルフが流行っていると、付き合わざるを得ない機会も多そうです。
ゴルフがビジネスに役立ったこと1位は「コミュニケーションが円滑になった」
社会人のゴルフ経験者225名に「ゴルフがビジネスに役立ったこと」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「コミュニケーションが円滑になった(88人)」です。
2位「仕事がスムーズになった(47人)」、3位「契約を獲得できた(39人)」、4位「人脈づくりできた(34人)」と続きます。
以降、同率5位「スキルアップにつながった(7人)」「評価がアップした(7人)」「接待に役立った(7人)」の結果となりました。
「コミュニケーションが円滑になった」と答えた人がかなり多くなりました。
コミュニケーションが円滑になるからこそ、仕事がスムーズに進み、契約の獲得にもつながるのだと考えられます。
では具体的な回答を紹介します。
1位 コミュニケーションが円滑になった
- 上司や取引先の人と共通の話題ができて助かった(28歳 女性)
- お客様と同じカートで世間話がはずみ、プライベートでも遊びに誘われるほど仲良くなれた(34歳 女性)
- 取引先担当者との間でゴルフという共通の話題ができ、ゴルフをきっかけに仕事以外のことも話せるようになりました(48歳 男性)
1位は「コミュニケーションが円滑になった」でした。
上司や取引先担当者の趣味もゴルフなら、共有の話題ができて距離を縮められます。
また一緒にラウンドすると長時間一緒にいるため、会話する機会も多く、自然に仲良くなれるでしょう。
とくに自分が「若手」「女性」であると、ゴルフできることが意外なためか、目上の人に可愛がってもらえることが多いようです。
人間関係がよくなると、出勤や取引先への営業も楽しくなりそうですね。
2位 仕事がスムーズになった
- 先輩と仲良くなったことで、仕事中の提案や希望が通りやすくなりました(29歳 女性)
- 取引先とゴルフに行って気分良く接待していたところ、仕事で多少の不具合があっても、大目に見てもらえるようになった(38歳 男性)
- 役員クラスと気軽に会話できるようになり、プロジェクトの提案がしやすくなった(43歳 男性)
「仕事がスムーズになった」が2位。
ゴルフを通じて「仕事が進めやすくなった」というメリットを感じる人も多くなっています。
お互いに「ゴルフを通じて気心の知れた相手」と思えると、どちらかが仕事でミスしても大目に見られます。
また上司や取引先にも、「この人の提案なら聞いてみようかな」と思ってもらいやすいでしょう。
3位 契約を獲得できた
- ウェブデザイナーとして働いています。何度かゴルフコンペに参加しているうちに、仲良くなった方が「自社の広告やサイトのデザインをしてほしい」と言って下さり、新しく契約することになりました(23歳 女性)
- 初めて訪問した営業先でゴルフの話で盛り上がり、ラウンドをご一緒することに。その中で商談が決まり、取引することになった(38歳 男性)
- 相手の担当者がゴルフ好きで、好きな選手も一緒だったので、話がはずんで契約が取れた(52歳 男性)
3位は「契約を獲得できた」。
「ゴルフの話題で打ち解けたこと」「一緒にラウンドしたこと」がきっかけで、仕事を受注した経験のある人も多くなりました。
取引先の担当者が「経営層・役員クラス」だと、相手がゴルフをやっていることも多く、距離を詰めるきっかけとして役立ちます。
同じ条件の取引があるとしたら、「あまり知らない人」よりも「ゴルフ仲間」に発注したくなるのが人情ですよね。
とくに決裁権者(案件の可否について最終的な判断を下す人)と仲良くなれると、契約までスムーズに進むでしょう。
4位 人脈づくりできた
- 社長さんなど、重役クラスの知り合いができた(20歳 男性)
- ゴルフを通じて、普段では接点ができないような人と繋がれる(35歳 男性)
- 人脈づくりに役立ちました(52歳 女性)
4位は「人脈づくりできた」。
いろんな会社から人が集まるコンペに参加すると、同業者・異業種含めて知り合いが増えます。
役員クラスも多く参加するため、普段は話せない人とも繋がりができるきっかけにもなりますね。
幅広い人脈をつくっておけば、営業や転職時に役立つでしょう。
5位 スキルアップにつながった
- 人を待てるようになった。イライラしなくなった(24歳 男性)
- 目上の人とのコミュニケーション能力が養われた(45歳 女性)
5位は「スキルアップにつながった」です。
「集中力や忍耐力がついた」「コミュニケーション能力がついた」などの回答が寄せられています。
ゴルフは「相手への気遣い」を重んじるスポーツでもあるので、ビジネスでのマナーにも活かせそうですね。
同率5位 評価がアップした
- 上司との話が弾んで、出世に役立った(43歳 男性)
- お付き合いのある医師の接待で、人数合わせとしてお相手しました。上司から努力を認められました(58歳 女性)
同率5位のもうひとつは「評価がアップした」でした。
「接待やゴルフコンペで活躍し、評価が上がった」と感じている人もいました。
単純に「ゴルフが上手=出世する」ではないでしょうが、付き合いに積極的に参加することで「やる気がある」と思われる効果はありそうです。
同率5位 接待に役立った
- 接待で使える(22歳 女性)
- ある程度プレーできるので、接待ゴルフの練習などをしなくて済んだ(31歳 男性)
同率5位の3つ目は「接待に役立った」です。
ゴルフ経験がないと「取引先とゴルフする」「取引先主催のコンペに誘われた」といった際に、戸惑ってしまいます。
しかしゴルフを趣味にしていれば、いつでも準備万端で参加できますね。
結果として相手からも「付き合いがいい」「誘いやすい」と思われて、親密になれそうです。
まとめ
社会人のゴルフ経験者を対象にアンケートを実施したところ、「ゴルフがきっかけで契約が取れた」「社内でも社外でも仕事しやすくなった」という体験談が多数寄せられました。
「ゴルフはビジネスに役立つ」ことがわかります。
そのためゴルフをはじめるきっかけとしては、「職場で上司や同僚に勧められた」「仕事に必要だと感じた」という人が多くなりました。
またゴルフには「体力づくり」「緑豊かなゴルフコースでリフレッシュできる効果」もあります。
体力やリフレッシュも、元気に効率よく働くためには必要な要素。
ビジネスパーソンの趣味として、ゴルフはかなりおすすめできることがわかりました。
「ゴルフをやってみようかな」という方は、まず打ちっぱなしから始めてみてはいかがでしょうか。